近年、日本政府は知的財産立国を国家的施策として提唱し、その振興に努めてきた。中でも映画、マンガ、ゲームといったコンテンツ産業は文化的な資源だけでなく、経済的な資源として認識され、国際競争力を持つ重要な産業として注目されている。これらコンテンツ振興の目的は、経済の発展、文化の向上、情報社会基盤の整備など多様である。コンテンツ振興は、産業の振興にとどまらず、外交など他の政策手段と一体となって推進されており、中でも人材育成の施策は高等教育機関にも多大な影響を与えている。コンテンツ産業の動向や政府による各種振興策、大学におけるコンテンツ分野の人材育成など、産・官・学のそれぞれの取り組みを歴史的に辿り、総合的に眺めることにしたい。
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