哲学は最古の学問であり、幅広い領域をもつ。本講義では哲学を、「普遍的な原理を発見し、その原理に基づいて社会のさまざまな事象を説明し、判断することをめざした学問であり、それ故に、倫理や正義の基礎を支えるもの」ととらえ、その実際的な意味を理解することを目的する。 現代人は、あらゆる価値は相対的なもので、絶対的な価値、すべての人が共通してもつべき価値を否定的にとらえがちである。一方哲学は、なるべく少ない原理であらゆる領域のはんだんが可能であると考える。つまりその原理は人類共通の判断軸であり、正義であり、倫理とみなされる。 20世紀以後の現代社会を支える原理は、自由の原理である。 (1)自由の原理とは何か、なぜそれが要請されるのか、現代社会はどのように自由の原理を適用しているのか。 (2)自由の原理に基づいて、社会のさまざまな困難な事象はどのようにとらえられ、判断されているのか。 (3)自由の原理の適用についての最前線(現代的なテーマ)はどのようなものか。 を通じて、現代社会を深く理解する旅に出る。
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