シラバス情報

科目名
メディアコミュニケーションラボ
副題
科目カテゴリ
研究実践
実施方法
対面授業
開講時期
通年
開講曜日
木曜日
開講時限
8限
担当教員
荻野 健一
定員
15名程度
単位数
3単位

授業概要
ソーシャルメディアが日常化し、個人間だけでなく企業や自治体などのコミュニケーションがソーシャルメディアを活用するようになり、社会構造そのものが変化する時代。グローバル市場においてオンラインで流通されるニッチな情報をオフラインに的確に届けるには、「メディアコミュニケーション」がマーケティングの重要課題の一つである。それぞれの持つビジネス課題と解決への思考プロセスを実践的に学び、コミニケーションデザインの本質を探る施策を体験する。最適化されたコンテンツを創出し、親和性が高く効果的なメディア選択で有効となるコミュニケーション開発とコンテンツビジネス全般を実践的に体験する研究を行う。
到達目標
・マスメディア・地方メディア・地域メディアなどの効果特性の理解と効果的な活用が設計できるようになる
・潜在的なニーズの掘り起こしと課題創出による地域や市場に紐づいたコンテンツを開発できるようになる
・モバイルなどのソーシャルメディアを活用したトランスメディア展開を構築できるようになる
・生活文化の可視化と生活者行動を効果的に補完するためのメディアプランニングを実施できるようになる
・グローバルなコミュニケーションビジネスにおける課題創出と実践的解決を構想できるようになる
授業内容のキーワード
デジタルマーケティング、聖地創生、インバウンド観光、トランスメディア、コンテンツビジネス
授業内容
課題創出をするためのチームビルディングを行い、それぞれの特性を生かし、実際の地域や企業と連携した課題創出とメディアコミュニケーション展開を中心にワークショップを行う。さらに個別事案として、企業・自治体向けビジネス企画実現に向けての市場把握と教育プログラム・実証実験など、継続的に運営が可能な市場創出と広報活動のための課題解決プランニングを実施する。
これまで、地方創生や地域振興の課題解決とグローバル化のために、豊島区と連携した地域観光資源の発掘、着地型観光商品の開発及び日本博への文化支援企画を行なった。
さらに日本のマンガ・アニメ・ゲームなどのコンテンツを題材としてとりあげ、ロケーションメディアの活用とトランスメディア展開(自発的に文脈が繋がるコミュニケーション)をサブカルの聖地「中野文化祭」、漫画の聖地「トキワ荘マンガミュージアム」として実証実験を行なってきた。
2021年度は、コロナ禍の状況下におけるコミュニケーション手段の検証や課題を解決するための最適な先進技術を活用した実証実験を行う。メディア企業や製作会社・自治体・企業などと連携し、オンラインとオフラインを効果的に活用したマイクロツーリズムやインバウンド観光の提案を文化庁・観光庁や自治体・企業に行う。 本年度は、豊島区・JTB・日本テレビグループ・アトレなどとの連携を予定している。
以上の目標について、
6〜7月 課題創出のための研究会やワークショップを実施する。
8〜9月 自治体やメディアや企業などと連動したコンテンツ企画を行う。
10〜11月 それぞれの課題に即したメディア企画・イベント企画を行う。
11〜12月 企画に基づいた実証実験を実施する。
1月にラボ成果発表会や地域や企業のための発表会を実施する。

授業形式
講義形式:様々なイベント参加や現地調査などを行い、ラボの時間に共有し、議論するスタイル。

1.日本のコンテンツカルチャーと若者文化
 1)コンテンツカルチャーと伝統文化の融合「地域文化とキャラクタービジネス」
 2)日本文化の再構築と国内外の広域連携 「伝統工芸とコンテンツビジネス」
 3)メディアコミュニケーションによる可視化「マイクロコンテンツ研究会」

2.地域課題解決プログラムの社会実装
 1)地域資源発掘と地域社会の課題解決「地域メディア開発」
 2)地域資源を価値化する「週末編集部」
 3)新事業・新サービスの「場」を創出「食文化とコンテンツ」

3.聖地創生によるグローバル展開
 1)自治体や企業と連携した聖地創生を図る「トキワ荘大学」
 2)アジアとの文化交流プログラム開発「マンガの源流から未来へ」
 3)地方創生グローバル展開を図る「伝統文化の始まりとマンガアニメへの影響」
成績評価方法・基準
グループワークへの関与度 20%
課題レポート 30%
企画提案 30%
最終課題 20%

それぞれの活動実績の評価が中心となるので、出席日数を満たしていても自主的な活動が不十分な場合、単位を認定しないケースもあることを承知しておくこと。
履修条件および学生へのメッセージ
マスメディアやソーシャルメディアを活用したクロスメディア施策を行うため、各種メディアやデバイスやアプリなどの知識と実技を事前に学習しておくこと。
コンテンツ事業化のための課題創出など思考力を鍛えるワークショップを行うので、修了課題のテーマを深掘りしたいM1生に参加していただきたい。
外部のイベントや研究会に積極的に参加できることが条件。今年度は海外メディアや海外施設との連携も行うので、海外連携を視野においた展開を行いたい学生を希望。
研究室を中心に4月から企画などを行うため、希望者は2〜3月に面談を行う。

【注意事項】
共同作業を前提とするため、最初にチームビルディングを行い、他の受講者や外部の方との相互理解と協力関係が重要。
教科書
これまで実践してきた番組企画やイベント企画・コンテンツ企画の資料を利用する。
必要に応じて、省庁や自治体が制作したガイドラインやマニュアルをデータで配布する。
参考文献
「地域の人」になるための8つのゆるい方法〜まちのメディアを使う・学ぶ〜
河井 孝仁 編著 ISBN978-4-7791-2626-0 C0036
昨年度までの研究会の成果として出版