シラバス情報

科目名
コンテンツマネジメント特論
副題
知的財産の価値最大化のための理論と手法
科目カテゴリ
専門
科目モジュール
応用・実践
科目系統
D
開講時期
4Q
開講曜日
金曜日
開講時限
7限
担当教員
森 祐治
定員
30名
単位数
1単位

授業概要
コンテンツは、知的財産の中でも最も運用の柔軟性が高いため応用範囲が広く、事業設計によって獲得できる収益に大きな幅が生じうるものである。
創作を行うだけではなく、その運用を見越した設計を取り込むことでより効果的な結果を得られることは明白ではあるものの、それに必要となる知識や技能を示すものは少ない。そこで、知的財産(IP)の基礎的な理解をコンテンツを中心に行い、その上でコンテンツ産業を知的財産の運用という視点から解釈を行うことで、知的財産に関する基礎的な知識習得の必要性及びその具体的な項目について理解する。
最終的には、技能検定制度(国家資格)である「知的財産管理技能士」資格レベルの知識(主に著作権関連法とその運用)習得の前提となる背景理解を目指す。さらには同資格の延長線上にある「知的財産アナリスト(コンテンツ・ビジネスプロフェッショナル)」に相当する実践的知見にも触れる。
到達目標
・コンテンツを中心とした知的財産(IP:著作、特許・実用新案・意匠・商標、営業秘密など)産業の基礎と体系を理解する
・コンテンツについての理解を基盤として、知財価値の最大化を目した事業設計アイデアを提示できるようになる
・国家資格である知的財産管理技能検定の初級レベル受験準備が整うようになる
授業内容のキーワード
知的財産(IP)、著作権、コンテンツ価値評価、メディアミックス、情報経済学

回数
タイトル
内容
実施方法
第1回
【基礎】
コンテンツマネジメントと知財:定義と体系
知的財産の定義とその内容、そこにおける著作物=コンテンツの位置づけと関連する法体系などを概観する。
ハイブリッド授業
第2回
【基礎】
コンテンツ産業:メディアエンタテイメント市場構造
コンテンツを用いた経済行為であるメディアエンタテイメント産業を中心に知的財産権を活用した事業の構造を概観する。
ハイブリッド授業
第3回
【基礎】
コンテンツの産業的特色:経済モデル
メディアエンタテイメント産業を中心とした経済活動が前提とする知的財産権の運用を規定する経済モデルについて検討する。
ハイブリッド授業
第4回
【応用】
コンテンツなど知財を巡る事業手法:ビジネスモデル
知的財産という単一の価値体系を複数の事業モデルを用いることで多様な収益機会を実現していることを理解する。
ハイブリッド授業
第5回
【応用】
コンテンツの企画から回収まで:ビジネスプロセス
知的財産を用いた事業が、一般の財やサービスと異なり、認知拡大から販売回収までのプロセスが複雑であることを解説する。
ハイブリッド授業
第6回
【応用】
コンテンツ・ビジネスの評価・資金調達:ファイナンスと戦略
複雑な事業モデルに起因する固有の資金調達手法や知的財産の経済評価の方法などを概観する。
ハイブリッド授業
第7回
【応用】
コンテンツ・ビジネスにおける非経済領域のマネジメント
知財の経済活動を支えるファンなど消費者とプロデューサーのかかわりなどファンダムについての理解を深め、そのマネジメント手法について検討する。
ハイブリッド授業
第8回
【ケース】
米国メジャースタジオにおける企業戦略(仮)
米国のメジャースタジオが実践する多面的な知的財産の運用手段を企業戦略として解釈する。
ハイブリッド授業

授業形式
レクチャー、ディスカッション、リサーチエッセイ
成績評価方法・基準
講義中での発言・質問、フィードバックシートでのコメント 40%
レポート 60%
履修条件および学生へのメッセージ
・「コンテンツマネジメント概論」「知的財産原論」「ビジネスプランニング基礎」を履修していることが望ましい
・知的財産教育財団の「知的財産管理技能士」試験を受験することを推奨する
教科書
シャピロ.C&H.ヴァリアン(2018新訳)『情報経済の鉄則 ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイド』
他 日経BP「プロデューサーカリキュラム(経産省/UNIJAPAN)」などから適宜指定する。

ISBN-10: 4822255573
参考文献
フラード=ブラナー.Z&グレイザー.A.M.(2017訳)『ファンダム・レボリューション──SNS時代の新たな熱狂』,早川書房
https://www.unijapan.org/co-production/producer.html
http://producerhub.go.jp/library/business/