シラバス情報

科目名
テクノロジー特論D(人工現実)
副題
XRライブエンタテインメントのサイエンスと未来開拓企画手法
科目カテゴリ
専門
科目モジュール
応用・実践
科目系統
E
開講時期
4Q
開講曜日
水曜日
開講時限
8限
担当教員
白井 暁彦
定員
100名程度
単位数
1単位

授業概要
本講義は人工現実、特にXRライブエンタテインメントに従事する修士卒の専門家として、体験型コンテンツを生み出せる人物を育成することを目的としている。
全体は2つのパートに分かれており、前半はVR技術者認定試験と教科書「バーチャルリアリティ学」を使い、VRにおけるサイエンスの基礎知識を体得する。
後半はXRエンタテインメント企画提案者としてVTuberの制作・プロデュース体験に加え、WebVR企画を立案し、複数回のレビューを通して企画を錬成する体験を得ることで、長期にわたって企画制作や研究開発の分野で楽しみを生み出せる人物を養成機会を提供する。
「人工現実」でどのような人工的な現実をどのような場に作り出していくのか、VRでどのような現実の不可能を可能にしていくのかを深めていく。修士卒としての研究・制作に耐えうる企画力、ブラッシュアップのターンアラウンドを学ぶ。
到達目標
・VRを扱う専門家としての用語定義、歴史と構成する技術、メディアの特性を説明できる
・XRライブエンタテインメントの事例と今後期待される分野について説明できる
・VTuberやリアルタイム3Dキャラクタライブエンタテインメントについての先端表現や価値、制作手法について、情報を自分で入手して理解できる
・国内学会や国際的なコンテストに作品を提案することを想定し、XRライブエンタテインメント企画提案者として企画を立案し、複数回のレビューを通してそれを錬成する体験を得る
・ソーシャルメディアに自身のクリエイションを展開し、社会において生を得るライブエンタテイメントを自らの手で生み出す体験をする
授業内容のキーワード
VTuber、キャラクターデザイン、WebVR、バーチャルリアリティ学、アバター社会、ソーシャルメディア・エンタテイメント

回数
タイトル
内容
実施方法
第1回
概要「VRエンタテイメントシステムの現在・過去・未来」
本講義の全体を俯瞰する。
遠隔授業
第2回
Part 1-1「人工現実感の歴史と基礎知識」
教科書をベースに第1章「バーチャルリアリティとは」、第3章「バーチャルリアリティ・インタフェース」、第4章「バーチャル世界の構成手法」、第5章「リアルとバーチャルの融合—複合現実感—」を中心に解説する。
遠隔授業
第3回
Part 1-2「人工現実感のサイエンス」
教科書第2章「ヒトと感覚」をベースに、脳神経系と感覚・運動、視覚、聴覚、体性感覚・内臓感覚、前庭感覚、味覚・嗅覚、モダリティ間相互作用と認知特性について解説する。
遠隔授業
第4回
Part 2「VR作品企画と体験設計」
ツールを用いて、VRエンタテイメントの企画立案を体験する。
遠隔授業
第5回
Part 3-1「VTuberを設計/開発する」
VTuberやリアルタイム3Dキャラクタライブエンタテインメントについて先端の知識や意味、最新の映像技術やイベント開発手法について学び、自分でキャラクター設計シートを起こしてみる。
遠隔授業
第6回
Part 3-2「VTuberを開発する」
情報を自分で入手し、ツールを使って自らの手で3Dキャラクタの詳細設計および動画作品の開発を行う。
遠隔授業
第7回
Part 3-3「VTuberをリリースする」
動画制作だけでなく、SNS上に人格をリリースするスキルを演習を通して学ぶ。
遠隔授業
第8回
まとめ「VRエンタテイメントの未来開発」
最新のVRエンタメ開発現場における挑戦やキャリアデザインについて、総合的なまとめを行う。
特に「人工現実」でどのような人工的な現実をどのような場に作り出していくのか、VRでどのような現実の不可能を可能にしていくのかを深めていく。
遠隔授業

授業形式
授業はオンライン及びソーシャルメディアを用いて実施し、4つの要素で構成される。
(1) VR技術者認定講習会( https://vrsj.org/events/seminar/ )に準じた専門家としての基礎的な知識の解説。
(2) ソーシャルVR「Hubs」を用いたVR空間企画の立案演習と改善手法
(3) VTuberキャラクタ設計およびソーシャルメディアへの発信
(4) XRエンタテインメント企画提案とレビュープロセス

【使用ツール】
- Zoom
- Google Slides(課題提出に必須)
- Mozilla Hubs
- OBS Studio
- VRoid Studio
- REALITY
- その他アバター作成ツール等
毎回の授業でGoogle FormやGoogle Slidesを使い、授業のフィードバック、企画提案、他の受講生の講評を通したレビューとブラッシュアップによるターンアラウンドを学び、錬成する体験を得る。
成績評価方法・基準
VR技術者認定試験模試の点数 (サンプルURL http://bit.ly/VRECH29S ) 30%
VRエンタテインメント企画の提案(Google Slidesで毎週提出 j.mp/DHGS2020VR) 30%
VTuber制作(設計・動画・SNS放流) #DHGS2021VR 30%
受講姿勢を表す作文:フィードバックシートおよび他の受講生への作品評価、全ての講義回を通した本人の成長を表現する作文で評価する。 10%

期末試験は実施しない。講義中のフォームで評価を行う。
履修条件および学生へのメッセージ
・Non Japanese speaker avalable (Japanese Reading and English writing skill are recommended)
研究・産業用VRのみでなく、特にメディアアート、ミュージアムなどでの展示物開発、VRゲームシステムやVTuberなど幅広い興味がある学生の履修を期待します。技術的なスキルは高ければ高いほど楽しめると想定しますが、要件にはしません。
日本VR学会主催「VR技術者認定講習会」の受験に向けた対策を行います。Mozilla開発のソーシャルVR「Hubs」他、ネットワーク上の生きたサービスでのXRライブエンタメ開発の体験にあて、完全オンライン授業化を実施します。
教科書
教科書「バーチャルリアリティ学」
※履修者にはオンラインで資料を提供するので購入は必須としない。
参考文献
「白井博士の未来のゲームデザイン -エンターテインメントシステムの科学-」
「バーチャルリアリティ学」 ISBN-10: 4904490053 ISBN-13: 978-4904490051