シラバス情報
教員名 : 藤井 直敬
科目名
先端科学原論
副題
ー
科目カテゴリ
専門
科目モジュール
基礎・理論
科目系統
S
開講時期
1Q
開講曜日
水曜日
開講時限
7限
担当教員
藤井 直敬
定員
70名
単位数
1単位
授業概要
今、私達の目の前に存在する現実世界は、自分自身が過ごしてきた過去の経験にもとづく認知的バイアスで構築された主観的現実である。科学の対象範囲はその時々に利用可能な知識とツールによって変化するが、科学は新しい現実を作ることもできるし改変することもできる。世界を豊かにするということは、主観的現実の隙間をみつけて、それを操作しこれまでにない価値を創造することにある。本講義では、眼前の現実を受け入れて理解するだけではなく、攻撃的に改変し豊かな世界を作るための各々の思想的基盤を獲得する。
到達目標
・現実を疑うことができる
・現実を理解することができる
・現実を改変する手法を編み出せる
・現実改変手法を世の中に提示し、価値を問うことができる
授業内容のキーワード
現実科学、VR/AR/MR/XR、哲学、認知科学、進化
回数
タイトル
内容
実施方法
第1回
現実科学とは
現実科学の考え方、世界をどのように疑うかについて一緒に考える。各自が生活する世界のどこに隙間があって、テクノロジーをどのように使えばより良い世界を作れるかを考え始める。身の回りのなんでも良い問題に関して、テクノロジーを使って社会的インパクトのある現実改変プロジェクトテーマを決めてもらう。
ハイブリッド授業
第2回
身体と脳
自分自身を知らずに、現実を理解することはできない。私達の身体が、脳がどのように出来上がり、自分自身がどうしていまのようになったのかを理解し受け入れるための基礎知識を獲得する。現実改善プロジェクトテーマの提出する。
ハイブリッド授業
第3回
神話世界と科学
科学的手法が非科学的だといわれる領域をすべて塗りつぶしているわけではない。20世紀の科学は、世界の一部を対象にしているに過ぎない。科学が照らすことができていない広大な領域の意味とそこを対象とする方法を考える。現実改変プロジェクトに関してLTを行ってもらう。
ハイブリッド授業
第4回
意識と知性について
テクノロジーと意識、知性について学ぶ。
遠隔授業
第5回
現実テクノロジーと科学
主観的現実を直接的に改変するテクノロジーである、VR/ARについて基礎から最先端まで事例を中心に学ぶ。
ハイブリッド授業
第6回
人体改変・拡張技術
ブレイン・マシン・インターフェースや高機能義手義足などテクノロジーによって人体の制限が取り払われつつある。それらのテクノロジーの可能性と未来について考える。
ハイブリッド授業
第7回
生命とテクノロジー
テクノロジーがヒトを作り、これまでになかった新しい生命すら作り出し始めている。生命とはなにか、ヒトとは何かを再び振り返る。
遠隔授業
第8回
プロジェクト発表
現実改変プロジェクトの発表と講評を行う。
ハイブリッド授業
授業形式
講義を中心とする。
課題はレポートを3000字
成績評価方法・基準
レポートテーマのユニークさ 50%
レポート内容の社会的インパクト 50%
履修条件および学生へのメッセージ
現実を疑うこと、現実とはなにか、科学とはなにか、自分が社会に残せるものはなにかを考えてもらいたいと思います。
教科書
毎回・教員が作成する資料を利用する。
参考文献
「精神の生態学」ベイトソン / 「ヤノマミ」国分 拓 / 「身体化された心」フランシスコ・ヴァレラ / 「悲しき熱帯」レヴィ=ストロース / 伊藤計劃 全作品 / 「心の社会」マーヴィン・ミンスキー / 「夜と霧」V.E.フランクル / 「現れる存在」アンディ・クラーク / 「つながる脳」藤井直敬