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ソーシャルビジネス

2023年度2Q(前期)

応用

尾野 寛明

3~4

1.00単位

木曜3限

・ソーシャルビジネスと普通のビジネスの違いについて理解し、これからの多様な働き方を考えられるようになる
・技術一辺倒ではなく、デジタルコミュニケーション技術を社会課題解決に活かす感性を身につける
・動画形式のプレゼン課題提出を通じて、自身が今取り組んでいることや授業で考えたことを言語化して伝える力を身につける
・少人数のグループでお互いに動画を見て、良いところを指摘し自分なりに横のつながりを作れるようになる

社会的課題の解決にビジネスの手法で取り組む「ソーシャルビジネス」が注目を浴びている。ただ儲けたいというだけではビジネスは成立しなくなっており、事業を通じてどう社会に貢献するかが問われる時代となった。非営利組織や公共団体も「稼ぐ力」が問われるようになってきている。
近年は若い世代を中心に社会起業家と呼ばれる実践者が増えており、ソーシャルビジネスに世界中の投資が動いている。そんなダイナミックな全国の事例を学び、ソーシャルビジネスの課題と可能性を学んでいく。中盤はほぼ毎回ゲストを招く予定。
本学学生もフリーランスや創業志望が増えているが、技術一辺倒ではなく「映像・アート・プログラミング」＋「社会課題解決」の感覚を身につけてもらいたいと思っている。本プログラムを通じて新たな領域を開拓したり起業のアイデアを探す後押しをしたい。

期末動画課題50％、学生同士のコメント30％、授業の感想コメント等20％

期末試験はありません。動画の提出課題で採点します。

各自3〜5分のプレゼンを行い、動画に収録して提出してもらいます。授業を聞いて考えたことや今取り組んでいること、将来実現したいことなど指定テーマに沿って自由に話してもらい、予め明示した5〜6項目で採点します。
提出動画は公開はしませんが、少人数のグループを組んでお互いに見てコメントしてもらいます。良いところを指摘しあい、全く違う領域の学生と自分なりに横のつながりを作ってもらいたいと思っています。

ソーシャルビジネスとは何か
ソーシャルビジネスの定義、ソーシャルビジネスと普通のビジネスは何が違うのか？

「事業性」と「社会性」の両立
営利企業にとっての社会貢献、非営利組織にとっての事業性の確立、それぞれに向けた課題を理解する

国内におけるソーシャルビジネスの実態
ソーシャルビジネスの経営実態、社会的問題と事業の関わりに関して深掘りする

地域再生とソーシャルビジネス
地域課題をどのようにビジネス手法に置き換えて解決していくのか、事例をもとに学ぶ

医療福祉とソーシャルビジネス
地域医療・地域福祉領域の課題とソーシャルビジネスの最先端の事例を学ぶ

ソーシャルビジネスのステークホルダー
ソーシャルビジネスにおける利害関係者の考え方を整理する

ソーシャルビジネスと資金調達
社会的インパクト投資、クラウドファンディングなど、近年台頭する新たな資金調達事情を知る

ソーシャルビジネスへの携わり方
各分野の実践事例や支援事例をもとに、あなたなりのソーシャルビジネスへの携わり方を考える

プレゼン動画提出がありますので、各自動画を作成できる環境を整えておいてください。パソコン内臓のカメラや外付けのWEBカメラを推奨しますが、スマホでも大丈夫です。動画編集ソフト等も必要ありません。
自宅で音を出せない人は教室の利用申請をするなど工夫して撮影環境を確保してください。車の中で撮る人もいますし公園などでも大丈夫です。
動画の公開はしませんが5〜6名のグループでお互いにコメントをしてもらいます。プライバシーがどうしても気になる人は、アバター・分身キャラ作成アプリ等の環境を用意してください。顔が小さく映ればよいということであればZOOMのプレゼンテーションモードでの録画環境を推奨します。

・尾野寛明・中村香菜子・大美光代『わたしをつくるまちづくり〜地域をマジメに遊ぶ実践者たち』（コールサック社、2021年）
・竹端寛・尾野寛明（編著）『無理しない地域づくりの学校　私からはじまるコミュニティワーク』（ミネルヴァ書房、2017年）
・松永桂子・尾野寛明（編著）『ローカルに生きる ソーシャルに働く 新しい仕事を創る若
者たち』 （農文協、シリーズ田園回帰5、2016年）

「将来なにか自分で事業を立ち上げたい」という意欲的な学生に出くわすことが多くなりました。本当に嬉しいことです。一方、事業のネタ探しをしている中で「あれが儲かる、これが儲かる」と右往左往して本質を見失い、結局何もできなかったという事例も多く見受けられます。
何かをしたいけど何から始めたらいいかわからない、そういう人は身の回りの社会課題に目を向けていくことが大事です。あなたがどうしても放っておけない周囲の困りごとに、いま学んでいるデジタルコミュニケーション技術をどうやって組み合わせるか。そういう考え方をすると起業の種はいくらでも出てくると思います。この授業はソーシャルビジネスを学びながら「デジタル技術×社会課題解決」という考え方を後押しするプログラムです。
私は住んでいるのが千葉県、会社が島根県にあるというちょっと変わった人間です。ひょっとすると地方の問題に取り組んでくれる学生が少しでも現れてくれたらいいなというのも狙いです。地方創生の現場にはデジタルコミュニケーション人材が本当に不足しています。皆さんのスキルが地方の課題解決につながったらいいなと思っています。
本講座は、動画課題を必須にしています。というのは、勉強や仕事がうまくいく人に共通して、ある喋り方の法則があるんです。それが、「喋りが的確で共感力がある」ということです。創業を目指す人でも、公務員であってもほぼ同じです。人前で喋るからといって上手で派手なパフォーマンスは必要ないんです。そしてこうした喋り方はある程度トレーニングが可能です。作った動画をお互いにコメントしてもらうことで学生同士の横のつながりも作っていきます。
他学では医療・福祉系の専門職向けに同様のカリキュラムを実施しています。専門技術を習得したいと思っているが、今ひとつ身が入らない、何かモヤモヤするという学生も気軽に受講してください。

hiroaki_ono@dhw.ac.jp