シラバス情報

授業コード
52340001
講義名
イスラーム史
開講時期
2024年度1Q(前期)
科目分類
教養
科目分野
知の源泉/歴史学
教員名
野村 明史
実務家教員
履修年次
2~4
単位数
1.00単位
曜日時限
月曜2限

授業概要
過激派などしばしば否定的な報道がされるイスラーム教。しかし、その信者は世界で16億人を超え、今もなお増え続けている。そんな相反する二つの顔が伝えられるイスラーム教。危険と言われながら今もなお多くの人々を魅了するイスラーム教とは何なのか。
本講義では、実際にイスラーム圏で教え伝えられているイスラーム史を紐解きながらその答えを明らかにする。ただ歴史を学ぶだけでなく、イスラーム史を通してイスラーム圏との関わり方や現地のルールを学習する。
到達目標
本講義では、イスラーム史の学習を通してイスラーム教の理解を深め、新たな視野や活躍の場を広げることを目標とする。また、国際社会において偏ることのないイスラーム教の歴史と知識を身につけることによりイスラーム圏とのコミュニケーション能力を高め、卒業後に役立てることを到達目標とする。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
学期末試験が50%、途中で提出を求めるミニレポートが20%、授業態度・参加度が30%という割合で総合的に評価する。欠席、遅刻や途中退席は減点対象とする。


期末試験の内容
学期末試験はレポート提出とする(1000字程度)。こちらが提示したテーマを基に論述し、期限までに提出すること。
課題の内容

授業内容
第1回
ガイダンスとイスラーム圏情勢
 講義全体の説明とイスラーム史を学ぶ意義を考えるため、現在のイスラーム圏の経済状況やソフトパワー(文化、ポップカルチャーなど)について概説する。
第2回
イスラーム教の誕生
 当時の時代背景や地域情勢を手掛かりに預言者ムハンマドがイスラーム教を起こした理由とイスラーム教が受け入れられていった理由を説明する。イスラーム教の聖典クルアーンの成立やスンナ派とシーア派の対立についても説明する。
第3回
啓典の民の世界
 中東は、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教などの一神教が誕生した地である。旧約聖書の時代から紐解き、一神教の誕生と中東に与えた影響について説明する。
第4回
イスラーム哲学と神秘主義
 ギリシャ哲学の流入により哲学と宗教の融合を試みたイスラーム哲学と、絶対的存在とされる神との神秘的合一を目標としたイスラーム神秘主義について説明する。
第5回
十字軍遠征
 十字軍遠征期におけるキリスト教勢力とイスラーム勢力の攻防を説明し、十字軍遠征がもたらした東西文明の交差の結果について説明する。
第6回
オスマン帝国の崩壊とイスラーム過激派の誕生
 オスマン帝国末期、アラビア半島で生まれたイスラーム復古運動とオスマン帝国崩壊を契機に誕生した現代のイスラーム過激派について説明する。
第7回
ガザ紛争と中東の将来
 ハマスの越境攻撃により、中東の構図は大きく変化した。パレスチナ問題は、宗教問題なのか、それとも政治的問題なのかー。パレスチナ問題を説明し、今後の中東情勢と注視すべき点を学ぶ。
第8回
アラブ文化と日本の役割
 サウジアラビアはビジョン2030を掲げ、音楽や芸術、アニメなど様々な文化事業を国をあげて推進している。サウジアラビアなどのアラブ諸国の現在の文化事業を説明し、日本が今後どのように関わっていくべきか考える。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)

参考文献
後藤 明『イスラーム世界史』 (角川ソフィア文庫)
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
akifumi_nomura@dhw.ac.jp