本科目では、犯罪情勢及び犯罪対策に関する諸問題を、犯罪社会学・公共政策学等の学術理論を踏まえつつ、主に私的アクター(私企業、NPO、地域社会、個人等)の視点から考察します。 その背景には次のような事情があります。 (1) 近年の我が国における犯罪情勢は、いわゆる特殊詐欺の問題、サイバー犯罪の問題、犯罪のグローバル化、犯罪者の再犯防止、犯罪被害者等支援等以前にも増して複雑化しています。 (2)こうした諸情勢を正確に把握し理解するためには、学術的な理論を踏まえるとともに、背景にある実際の社会情勢(グローバル化、高齢化、デジタル化等)を理解する必要があります。 (3)その上で、こうした状況への対処には、政府、地方自治体等の公的アクターのみならず、私的アクター(私企業、NPO、地域社会、個人等)を交えた自助や共助が重要となっています。 (4)加えて、各種の施策の検討に当たっては、ガバナンス論的な視点、すなわち、各アクター間の利害調整を具体的に検討することが求められています。
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