シラバス情報

科目名
先端科学原論
科目カテゴリ
専門科目
科目モジュール
基礎・理論
科目系統
S
開講時期
1Q
開講曜日
開講時限
7限
担当教員
藤井 直敬
定員
80名
単位数
1単位

授業概要
今、私達の目の前に存在する現実世界は、自分自身が過ごしてきた過去の経験にもとづく認知的バイアスで構築された主観的現実である。科学の対象範囲はその時々に利用可能な知識とツールによって変化するが、科学は新しい現実を作ることもできるし改変することもできる。世界を豊かにするということは、主観的現実の隙間をみつけて、それを操作しこれまでにない価値を創造することにある。本講義では、眼前の現実を受け入れて理解するだけではなく、攻撃的に改変し豊かな世界を作るための各々の思想的基盤を獲得する。
到達目標
現実科学の考え方を理解し、以下の4つを身につける。
(1)現実を疑うことができる。
(2)現実を定義することができる。
(3)現実を改変、介入する手法を編み出せる。
(4)現実改変手法を世の中に提示し、ゆたかさを提供することができる。
キーワード
現実科学とは

回数
タイトル
内容
実施方法
第1回
身体と現実
現実科学が提示する問題意識を解説する。なぜ現実について考えなければいけないのか、それを考えることで何ができるようになるのか。さらに、現実を定義することから、社会に豊かさをもたらすために現実へ介入することの意味について理解する。
ハイフレックス授業
第2回
認知と現実
自分自身を知らずに、現実を理解することはできない。私達の身体が、脳がどのように出来上がり、自分自身がどうしていまのようになったのかを理解し受け入れるための基礎知識を獲得する。
ハイフレックス授業
第3回
認知と現実
科学的手法が世界のすべての領域を塗りつぶせるわけではない。現代の科学は、世界の一部を対象にしているに過ぎない。科学が照らすことができていない広大な領域の意味とそこを対象とする方法を考える。
ハイフレックス授業
第4回
意識と無意識と現実
現実を理解する上で、意識と無意識について理解することは必須である。意識研究の最前線について外部講師を招いて考える。
ハイフレックス授業
第5回
アートと現実
現実に介入して豊かさを届けるには、様々な手法がある。外部講師を招聘し、現実科学におけるアート表現について考察する。
ハイフレックス授業
第6回
人体改変や拡張技術による現実介入
ブレイン・マシン・インターフェースや高機能義手義足などテクノロジーによって人体の制限が取り払われつつある。それらのテクノロジーの可能性と未来について考える。
ハイフレックス授業
第7回
生命と現実
テクノロジーがヒトを作り、これまでになかった新しい生命すら作り出し始めている。生命とはなにか、外部講師を招き、ヒトとは何かを再び振り返る。レポート提出締め切り日。
ハイフレックス授業
第8回
レポート発表
レポート講評。
対面授業

授業形式
講義形式
成績評価方法と基準
5段階評価(S〜D)
「あなたにとって現実とはなにか定義せよ、あなたが現実へ介入し社会にゆたかさを提供する方法」をテーマとしたレポートを3000〜5000字以内で書く。
(1)現実定義の独自性や新規性(50%)
(2)現実介入の社会的インパクト(50%)
履修条件と留意事項
なし
教科書
なし
参考文献
「精神の生態学」ベイトソン/「ヤノマミ」国分 拓/「身体化された心」フランシスコ・ヴァレラ/「悲しき熱帯」レヴィ=ストロース/「心の社会」マーヴィン・ミンスキー/「夜と霧」V.E.フランクル/「現れる存在」アンディ・クラーク/「つながる脳」藤井直敬/「脳といきる」藤井直敬、太田良恵子/伊藤計劃 全作品