シラバス情報
教員名 : 大口 孝之
授業コード
14210001
講義名
VFX概論
開講時期
2024年度2Q(前期)
科目分類
基礎
科目分野
概論
教員名
大口 孝之
実務家教員
実務家教員
履修年次
1〜2
単位数
1単位
曜日時限
金曜4限
授業概要
新しい視覚的表現にチャレンジしてみたい人が、今では学びにくくなった古典的アナログの技術から、特殊な映像の歴史、さらにデジタル技術を用いた映像の最新情報を学べる。またこの分野を学問として研究してみたい人、さらに将来後進を育てる側に立ちたい人向けの講義でもある。
到達目標
将来、映像監督、VFXスーパーバイザー、映像クリエーター(CM、ミュージック・ビデオ)などを目指す人々に必要とされる知識を得る。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
レポート90%(内容と選んだテーマのセンス)、毎回のフィードバックシート10%、または授業中の積極性10%(対面の場合のみ)。出席率70%以上で初めて成績評価対象となります(=70%未満は不可)。
期末試験の内容
レポート提出
課題の内容
授業内容
第1回
ビジュアル・エフェクト①:現在はデジタルになったと言えど、VFX(視覚効果)の基本はフィルム時代に開発された技術の置き換えに過ぎない。その基本を学ぶことで深い理解力を得て、将来VFXクリエーターやスーパーバイザーとなるべく知識的基盤を得る。SFXとVFXの違い。VFXの歴史。グラスショット、ハンギングミニチュア、マットペインティング、シュフタンプロセス、リアプロジェクション、フロントプロジェクション、LEDウォールプロセス(インカメラ)などの合成技術などを学ぶ。
第2回
ビジュアル・エフェクト②:オプチカル・プリンティング、ロトスコープ、ウィリアムズ・プロセス、ダニング=ポメロイ・プロセス、ブルー/グリーン・バック合成、ナトリウム・プロセス、クロマキー、アルチマットなどのトラベリングマット技術。AIやライトフィールドなど新技術を用いた合成。ミニチュア撮影のコツなどを学習。
第3回
ビジュアル・エフェクト③:ティルトシフト、レンズ画角、強制遠近法、縮尺と撮影速度の関係、クラウドタンクなど、ミニチュア撮影の技法。モーション・コントロール撮影。タイムスライス。さらにボリューメトリックキャプチャーなどの最新技術も紹介。
第4回
映像における動物の表現:映像で動物や絶滅した古生物、架空のクリーチャーを描くには、どんな映像技術があるのか。本物の動物に特殊メイク。動物の動きをロトスコープ。本物の動物をデジタル加工。機械仕掛けのアニマトロニクス。着ぐるみやスーツ、特殊メイクなどで人が演ずる。CGモデル。動物のモーションキャプチャー。群知能によるクラウドシミュレーション。遺伝的アルゴリズムによる進化シミュレーションなど、様々な動物表現の手法を学ぶ。
第5回
宇宙の表現:映像で宇宙空間や宇宙船などを描くには、どんな技術があるのか。アニメーションの応用、回転式セットの利用、ガラス板を利用、無重力訓練機内で撮影、合成を活用、ワイヤーワーク、クレーンを利用、実際のISSで撮影など、無重力状態の表現について。また、地上と真空の宇宙における照明の違いについても学ぶ。
第6回
非スクリーン映像①:スクリーンを用いない映像について理解する。建造物、自然物、人体などへのプロジェクション・マッピングなどについて歴史と原理、応用例などを学習する。
第7回
非スクリーン映像②:スクリーンを用いない映像について理解する。ペッパーズ・ゴースト、凹面鏡ディスプレイなどについて歴史と原理、応用例などを学習する。
第8回
非スクリーン映像③:スクリーンを用いない映像について理解する。透明スクリーン、レーザーを用いた空間描画などについて歴史と原理、応用例などを学習する。
購入が必要な教科書
教科書以外に準備するもの(画材・機材)
MP4とPDFファイルの受信、ならびに視聴環境を用意して下さい。MP4ファイルは、おおむね950MB程度です。
参考文献
「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」(フィルムアート社)
「ビジュアル情報処理 CG・画像処理入門」(画像情報教育振興協会)
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座I」
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座II」
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座 応用篇」(スペシャルエフエックス スタジオ) など。
など。
※大学での教科書販売はありません。
教員連絡先
ohguchitakayuki@gmail.com