シラバス情報

授業コード
32110001
講義名
立体造形 I 【セット履修】
開講時期
2024年度1Q(前期)
科目分類
演習
科目分野
グラフィック
教員名
石川 智弥
実務家教員
実務家教員
履修年次
1〜2
単位数
2単位
曜日時限
月曜3限、月曜4限

授業概要
日常生活におけるビジュアルコミュニケーションは、紙やディスプレイモニタなど平面的な媒体を介したものが多くを占めるが、創作に関わる現場では立体的な造形感覚の活用が必要不可欠な技術であることを認知する。
「立体造形I」では、(平面表現と比較して)情報が多く複雑な要素をもつ立体物に対して抽象化を行うことで情報整理を行い、それによって伝わりやすい表現となる実感を得る。
講義最終段階において粘土などを用いて生物のかたちを取り入れたオブジェの制作を行い、描写に頼らない立体造形技術を獲得する。
到達目標
到達目標1:モチーフを情報整理することで、歪みを感じさせにくい立体物描写ができるようになる
到達目標2:粘土を利用した立体物制作を通して、具象的な表現と抽象的な表現を使い分けられるようになる
到達目標3:フォルム(形態)によって他者に与える印象をコントロールできるようになる。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
平常評価:デジキャン上のアンケートの提出状況(30%)
技能評価:課題の提出状況(30%)、内容(40%)。
課題は各回授業の内容に沿って出題する。単純な技能の卓越性のみではなく、授業内容を理解しているか、技能向上を図ろうとしているか、などで評価する。また、各課題の提出期限は都度指定する。
期末試験の内容
実施しない
課題の内容
紙と筆記具を用いた立体物スケッチの練習、粘土を活用した立体作品の制作。
実技課題は授業時間内で実施するが、複数回にわたって実施するものもあるため、持ち帰りができるような準備が必要となる。
スケッチに使用する画材は画用紙と鉛筆を基本とするが、使い慣れたもので差し支えない(デジタル画材も可)。
粘土造形に必要な道具類は講義内で別途指示するので、各自で入手する。

授業内容
第1回
授業タイトル:「立体物を把握する」
授業オリエンテーション:講師自己紹介/授業内容説明
第2回
授業タイトル:「ローポリゴン化を活用して手を描く」
座学:輪郭だけではなく「中身(輪郭の内側)」を捉える描画法。
実技:自身の手のスケッチ。単純化、抽象化による描画の制御。
その他:次週持参物等案内
第3回
授業タイトル:「ローポリゴンを活用して手を描く(講評)」
他学生の作品の相互鑑賞を通して効率的な描画の方法を学ぶ。
第4回
授業タイトル:「石の模刻(1)」
実技:各自「気になる石」を持参し、粘土を使用してただひたすら模刻する。ローポリゴン化、単純化手法による立体把握の第一段階を身につける。
第5回
授業タイトル:「石の模刻(2)」
実技:各自「気になる石」を持参し、粘土を使用してただひたすら模刻する。じっくり観察するだけでモチーフに近づくトレーニング。
第6回
授業タイトル:「石の模刻(3)」
実技:各自「気になる石」を持参し、粘土を使用してただひたすら模刻する。じっくり観察するだけでモチーフに近づくトレーニング。最終的には着彩まで行う。
その他:自習持参物等案内
第7回
授業タイトル:「石の模刻(講評)」
他学生の作品の相互鑑賞を通して、自身の到達度を相対化する。
第8回
授業タイトル:「こころのかたち(1)」
座学:「感情」ををモチーフとすることで、抽象表現に取り組む。
実技:粘土による抽象形態の造形実習。
第9回
授業タイトル:「こころのかたち(2)」
実技:粘土による抽象形態の造形実習。
第10回
授業タイトル:「こころのかたち(3)」
実技:粘土による抽象形態の造形実習。
第11回
授業タイトル:「こころのかたち(講評)」
他学生の作品の相互鑑賞を通して、自身の表現がどのように伝わるのかを知る。
第12回
授業タイトル:「製品に生物のフォルムを取り入れる(1)」
座学:製品のもつ機能に対し、フォルムを通して「印象」を追加したときの効果を知る。
実技:任意に設定した文具、什器類、調理器具などの製品をモチーフとし、動物のフォルムを取り入れる。ここでは実用性に囚われすぎず、積極的に新しく実験的なユーザー体験の提供を目指す。
第13回
授業タイトル:「製品に生物のフォルムを取り入れる(2)」
実技:任意に設定した文具、什器類、調理器具などの製品をモチーフとし、動物のフォルムを取り入れる。ここでは実用性に囚われすぎず、積極的に新しく実験的なユーザー体験の提供を目指す。
第14回
授業タイトル:「製品に生物のフォルムを取り入れる(3)」
実技:任意に設定した文具、什器類、調理器具などの製品をモチーフとし、動物のフォルムを取り入れる。ここでは実用性に囚われすぎず、積極的に新しく実験的なユーザー体験の提供を目指す。
第15回
授業タイトル:「プロダクトデザインの現場」
座学:ゲスト講師としてプロダクトデザイナーの松本和也氏の講義を実施(予定)。松本氏は2020年グッドデザイン賞、2021年度レッド・ドット・デザイン賞にてベスト・オブ・ザ・ベスト賞を受賞した「バーミキュラフライパン」のデザインを担当した実績をもつ。
第16回
授業タイトル:「ゲスト講師への質疑応答、作品講評(講評)」
質疑応答の後、ゲスト講師による「製品に生物のフォルムを取り入れる」課題作品の講評を行う。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
講義初回には最低限の描画用具を持参してください。H〜2Bまでの鉛筆と消しゴム、画用紙、があるとベストですが、デジタル描画ツールを含む使い慣れた画材でも構いません。その他の実技に使用する道具は初日のオリエンテーションや、途中日程の講義でガイダンスします。指定の週までに揃えるようにしてください。(造形用粘土やヘラ、木材、針金、カッター、接着剤、スチレンボード、ボール紙、ダンボール紙など)

参考文献
教科書は特にありません。講師が適宜資料を作成、配布します。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
tomoya_ishikawa@dhw.ac.jp