シラバス情報

授業コード
34210001
講義名
立体模刻
開講時期
2024年度1Q(前期)
科目分類
基礎
科目分野
造形基礎
教員名
中村 泰清
実務家教員
履修年次
1〜2(2Qは2年次のみ)
単位数
2単位
曜日時限
木曜3限、木曜4限

授業概要
立体模刻の演習では、デッサン演習と同じく、必要な観察力と感受性が重要です。立体物の本質や特徴を感じ取り、それに基づいて丁寧に立体表現を作り上げることが目的です。何度も試行錯誤を重ねることで、自分なりの見方や捉え方を身につけることが出来る。模刻作品は、人の感覚や解釈に基づいて作られるため、3Dスキャンや石膏の型とは違うものになる。この理解は、様々な表現分野で必要とされる基本的な造形力の一部だ。この授業では、土粘土だけでなく、デジタル彫刻ソフト(MudBox、ZBrushなど)も使うことができる。ただし、デジタルツールを使う場合は、自分で使うアプリケーションの知識を含めて、しっかりと準備する必要がある。また、デジタル彫刻を選んだ学生も、4回目の授業までは粘土で表現を学ぶことになる。
到達目標
物体を捉えるための基本的な見方は以下のようなポイントがあります。

到達目標1 全方位から観察することの必要性を理解出来る。
到達目標2 オノマトペを利用して触覚的な捉え方をすることの重要性を理解して表現に出来る。
到達目標3 立体的な捉え方でモチーフと作品を比べて問題点を的確に修正出来る。
到達目標4 光と影を利用して形の変化を観察して制作に生かす事が出来る。
到達目標5 生命感のある作品を作成出来る。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
100点を満点とし、60点以上で単位を与える。
点数の構成は提出作品の評価と受講姿勢とする。
公欠は2回まで認める。  
最終評価点数が50点以上60点未満の生徒に対しては、補講を実施し再度単位認定の見直しをする。
期末試験の内容
実施しない。
課題の内容
実施しない.

授業内容
第1回
[立体表現の導入] 
手の観察方法を参考作品を用いて、立体模刻に必要な「もののみかた」を学ぶ。
立体模刻では、手の形態や質感を360°全方位から観察し、触れることで立体的な感覚を学ぶ。
全ての表現に必要な見方の基礎は、観念的な捉え方ではなく、自分が実感した表現をすること。
初日は、手の境界線を観察し鉛筆で表現。
 ※デッサン用具を持参する事。
 ※デッサン用具以外で各自準備するものに関しては、第一回目授業で説明を聞いてから購入する事。
 ※使用するモデリックブロンズ粘土は授業内で販売する。各自で購入しない事。(1個350円x2-3個程度必要)
第2回
[親指の制作] 
参考作品を使用した捉え方の説明。自分の手親指をモチーフにして、実際の凹凸を見つけて粘土で作成する。形の正確さよりも、観察したことを実感として表現することを目指す。

 ※デッサン用具以外で各自準備するものに関しては、第一回目授業で説明を聞いてから購入する事。
 ※使用するモデリックブロンズ粘土は授業内で販売する。各自で購入しない事。(1個350円x2-3個程度必要)
第3回
[手の模刻1] 
針金と麻縄で、手の芯を作成する。次に粘土で手のひらと関節を作成する。この段階で、手の様々なポーズや動きに着目し自分らしいポーズを決める。
第4回
[手の模刻2] 
親指と腕を作成する。この段階で細やかで微細な表現を学ぶ。また、関節や筋肉、筋、脂肪等の膨らみの違いを視覚的、触覚的に捉えて感じ取り、それらの関係性表現を学ぶ。
第5回
[手の模刻3] 
手を観察して捉えた印象を具体的な表現へと移行する段階を体験し学ぶ。ここからデジタルを選択する学生と粘土制作を続ける学生に別れて学習する事となる。
第6回
[手の模刻4] 
台を針金の芯棒で固定し作成する。360度全方向からバランスを確認し、構成を学ぶ。各自の表現したい印象を再確認しながら試行錯誤を繰り返して実感する事を学ぶ。
第7回
[手の模刻5] 4人程度のグループで各自の捉え方・見方・印象を発表し合い、自分以外の考え方や課題を比較することでより深い表現目標を明確にするプロセスを学ぶ。
第8回
[手の模刻6] 
自分の手を観察し捉えた印象が表現できているか自問自答し続ける姿勢を学ぶ。
講評会。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
1、デジタル彫刻ソフト(MudBox,Zbursh等)での受講及び課題提出を可とする。ただし、その場合、各自で利用するアプリケーションの基礎知識を含めた総合的な準備が必要。授業では、MudBoxを使用する予定。(特にデジタル模刻にこだわらない学生は、アナログ(粘土)での受講が望ましい。デジタルを選ぶ学生も、4回目の授業までは粘土で表現を学ぶ事となる)
2、粘土(新日本造形・モデリック・ブロンズ800g)×2-3個、スチール針金 1.2mm×15m程度、麻縄、霧吹きスプレー、ビニール袋 A3程度×2枚以上、ぞうきん×1枚、ペンチ(中以上)、スケッチブック(百均のB4程度が良い)、デッサン用具(鉛筆はB、ネリゴム、カッターナイフ)つなぎorエプロン(汚れても良い服装)、油性マジック黒(細字)                        
*デッサン用具以外で各自準備するものに関しては、第一回目授業で説明を聞いてから購入する事。
※使用するモデリックブロンズ粘土は授業内で販売する。各自で購入しない事。1個350円x2-3個程度必要)

参考文献
<購入必要電子書籍>
オノマトペドローイング [映像コンテンツ制作のクリエイティブテクノロジー/第7章]  
著者 中村泰清 価格500円程度
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
dhu.nakamura@gmail.com