概要: 毎回の講義は以下の四つが中心となる。 (1)毎回一つの主題・類型(例:洪水神話)とその論点を取りあげ、様々な地域の神話の荒筋を分析する。
(2)神話と密接に関係する問題、創作論・霊魂観・図像学・秘義などについても理解する。
(3)世界各地の神話(日本・ギリシア・『聖書』・ケルト・エジプト・シュメール・北欧・インドなど)のあらすじ・文献なども学ぶ。
(4)質問への回答
目的: 本講義は二つの主な目的がある。 (1)神話の知識を用いて、エンタテイメント作品をより深く理解・観賞し、また、自分自身の創作に深みを持たせることにある。 神話は、創作作品の源泉として作品のテーマや構造を提供してきたし、英雄譚とその創作論は現代ファンタジーへも強い影響を与えている。また、神話に登場するシンボル、小道具あるいは固有名詞も様々な作品に用いられてきた。神話を創作に用いるためにも、神話を分析的に理解すること、神話から派生した古典文学・古典絵画への理解も重要である。
(2)神話の知識を文化の違いを理解につなげてゆくことも目的としている。それぞれの神話には、それぞれ違った世界の捉え方があり、例えば神観念や霊魂観などにも違いがある。神話世界の広がりと共通点・相違点を理解することは、それぞれの神話世界を背景に持つ人々の伝統的な考え方を理解することにもつながるのである。
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