シラバス情報

授業コード
52130002
講義名
世界の神話
開講時期
2024年度2Q(前期)
科目分類
教養
科目分野
知の源泉/表現
教員名
丸山 顕誠
実務家教員
履修年次
2~4
単位数
1単位
曜日時限
火曜5限

授業概要
概要:
毎回の講義は以下の四つが中心となる。
(1)毎回一つの主題・類型(例:洪水神話)とその論点を取りあげ、様々な地域の神話の荒筋を分析する。

(2)神話と密接に関係する問題、創作論・霊魂観・図像学・秘義などについても理解する。

(3)世界各地の神話(日本・ギリシア・『聖書』・ケルト・エジプト・シュメール・北欧・インドなど)のあらすじ・文献なども学ぶ。

(4)質問への回答

目的:
本講義は二つの主な目的がある。
(1)神話の知識を用いて、エンタテイメント作品をより深く理解・観賞し、また、自分自身の創作に深みを持たせることにある。
神話は、創作作品の源泉として作品のテーマや構造を提供してきたし、英雄譚とその創作論は現代ファンタジーへも強い影響を与えている。また、神話に登場するシンボル、小道具あるいは固有名詞も様々な作品に用いられてきた。神話を創作に用いるためにも、神話を分析的に理解すること、神話から派生した古典文学・古典絵画への理解も重要である。

(2)神話の知識を文化の違いを理解につなげてゆくことも目的としている。それぞれの神話には、それぞれ違った世界の捉え方があり、例えば神観念や霊魂観などにも違いがある。神話世界の広がりと共通点・相違点を理解することは、それぞれの神話世界を背景に持つ人々の伝統的な考え方を理解することにもつながるのである。
到達目標
・著名な神話の概要を身につける。
・英雄物語創作の基礎的・古典的な知識を身につける
・文章や絵画などにおける神話表現とその特色や分析の方法を習得する。
・それぞれの神話の話型やテーマごとの論点を把握する。
・それぞれの神話体系ごとの世界の捉え方の違いを理解する。
・神話学的方法によって、神話やエンタテイメント作品を分析できるようになる。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
・毎回のミニテスト(16%):毎回講義の理解度をはかるためにミニテスト(二問)を行う。

・期末レポート(84%):任意のエンタテイメント作品(小説、マンガ、ゲーム、演劇、音楽、絵画等)を講義で指示した方法によって分析する。

・レポートの具体的な分析方法や書き方、フィードバックシートでのまとめ方は講義内で指示する。
期末試験の内容
課題の内容

授業内容
第1回
創造神話:類型とモチーフ、神話と文献
(1)創造神話はそれぞれの神話世界において決定的な役割を果たす。神とは何か、世界とは何かといった問題を神話を通して学ぶ。

(2)また、話型とモチーフや神話と文献の関連も学習する。
第2回
人間と死の始まり・霊魂観
(1)人類の起源・死の起源は、神話世界のなかで、人がどのように位置づけられているのかを示す重要な神話である。そして、そこにはそれぞれの神話世界における霊魂観があらわれている。神話によって異なる人の誕生・死後の世界を学ぶ。

(2)また、各神話にあらわれた霊魂観について考察する。
第3回
神話と祭祀
(1)祭祀を通して、人は、神話で語られた神と交流を持つと信じられてきた。祭祀と神話は相互に補強しあう関係にあり、神話を考えてゆく上で重要である。また、神話の中で祭祀が語られる場合も多い。実際の具体的な祭祀の実施を学ぶことを通して、人がどのように神話世界に生きてきたかを見てゆく。

(2)魔術や錬金術などについても紹介する。
第4回
神婚譚・英雄譚
(1)英雄に関する物語は叙事詩という形で多く歌われ、歴史的にも様々な創作論の研究対象になってきた。著名な英雄譚を取りあげ、それぞれの荒筋、特徴などを見てゆく。

(2)英雄に関する物語は叙事詩という形で多く歌われ、歴史的にも様々な創作論の研究対象になってきた。著名な英雄譚を取りあげ、それぞれの荒筋、特徴などを見てゆく。
第5回
洪水神話・図像解釈
(1)洪水神話から、世界のやり直し、神話における世界の秩序あるいは人のあり方などを見てゆく。世界中に存在する洪水神話に関して、それぞれの特徴や分類などを学ぶ。

(2)図像解釈
ヨーロッパの絵画・彫刻を中心に、神話の視覚表現とその解釈に関しても学習する。
第6回
神々の戦い
(1)神々の戦いを主題とした神話は、これまでの秩序の終焉・新たな世界の始まりを告げるものが多い。神々の戦いがどのように世界を完全に変えてしまうのか、そして、その神話から分析できる事柄を見てゆく。

(2)神々の戦いを分析するから、神話世界のありかた、神話に描かれた倫理観や歴史観などにかんしても学ぶ。
第7回
神話と創作論
神話・昔話と創作との関係を、『オデュッセイア』および「聖杯物語」を例に学び、また様々な解釈技法、創作論についても学ぶ

第8回
神話からファンタジーへ:神話とは何か、ファンタジーとは何か
ファンタジーは神話に様々なものが付け加わって出来上がった様式である。神話からファンタジーに至る著名な作品を取り上げながら、文学・芸術、神話と文学との違い、神話とは何かを学ぶ。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
なし

参考文献
講義中に紹介する。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
akiyoshi_maruyama@dhw.ac.jp