犯罪とは何か、警察、検察官、弁護士、裁判官がどのような役割を果たすか、社会正義とは一体何か、犯罪者はどういった扱いを受けるのか、裁判の手続の流れはどのようなものとなっているか、更生の手段にはどういったものがあるのか、実際に更生するということはあるのかなどといった内容は、誰しもが犯罪に巻き込まれる可能性がある以上、生きる上で知っておくべきものである。また、作品を制作する者にとっては刑事事件は主要なテーマになり得るものである。 例えば、犯罪をしてしまうとどういう言い訳をしてしまうものなのか、示談だとか被害弁償だとかが具体的にどのように行われるか、警察がどのように犯罪の証拠を掴んでいくのか、実際に犯罪をしてしまった人がどうやって更生しているのか、再犯率はどのくらいであるのか、国はどういう取り組みをして犯罪を減らそうとしているのか。これらは新聞やニュースにはほとんど出て来ないかなかなか目につくものではない。 本授業は上記のような内容を正確に理解し、刑事事件に関する基礎的な知識を身につけることを最初の目的としている。 その上で、犯罪をしてしまった人としての立場、被害者になってしまった立場の双方から物事を見つめることができるようになることを最終的な目的としている。 なお、具体的な事例を通じて、日本における司法の問題点を学んでもらい、作品を制作していく上で、ひいては生きていく上での一助となれるようにしたいと考えている。
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