シラバス情報

授業コード
14210001
講義名
VFX概論
開講時期
2025年度2Q(前期)
科目分類
基礎
科目分野
概論
教員名
小倉 以索
実務家教員
履修年次
1〜2
単位数
1.00単位
曜日時限
金曜5限

授業概要
本授業「VFX概論」では、映画、テレビ、CM、アニメ、ゲームなどの映像制作において不可欠な技術であるVFX(Visual Effects:視覚効果)について、基礎知識から実践的な応用例まで幅広く学ぶ。VFXは、リアルな映像世界を構築するためにCG(Computer Graphics)、実写合成、トラッキング、物理シミュレーションなど多様な技術を融合させており、今や映像表現における標準的な手法である。

本講義では、まずVFXの定義や歴史を概観し、映画史における技術革新と映像表現の変遷をたどる。続いて、現代の映像制作におけるVFXのワークフロー(企画・撮影・ポストプロダクション)を理解し、合成、トラッキング、3DCG、シミュレーションといった主要技術についての基礎的な理論と事例を解説する。また、近年注目されるバーチャルプロダクションや生成AIなど、最新のVFXトレンドにも触れ、業界の現在と未来を見据えた知識の習得を目指す。

講義は、映像視聴や事例分析を交えた解説、ディスカッション、発表形式の最終課題などを通じて、視覚的・体験的に理解を深める構成とする。VFXに関心のある初心者でも参加できるよう配慮されており、映像制作の幅広い可能性を体感できる入門講義である。
到達目標
1. VFXの定義と役割を説明できる
2. 映像制作におけるVFXの基本フローを理解する
3. 主なVFX技術(合成、3DCG、シミュレーション等)を把握する
4. 実際の制作例を分析し、技術的・演出的観点で解説できる
5. VFX業界の現状とキャリアパスを把握する
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
課題=レポート(7割)、フィードバックシート(3割)、出席率70%以上で初めて成績評価対象となります(=70%未満は不可)。

期末試験の内容
実施しない
課題の内容
レポート提出

授業内容
第1回
第1回:ガイダンスとVFXの歴史・役割
目的:VFXとは何かを定義し、その成り立ちと映像表現への影響を理解する
内容:
授業全体の構成・評価方法の説明
VFXとSFX(特殊効果)の違い
映画史におけるVFXの進化(『スター・ウォーズ』『ジュラシック・パーク』など)
有名スタジオ(ILM、Weta Digitalなど)の紹介
第2回
第2回:VFX制作の全体フローと職種理解
目的:VFXがどの段階でどのように関わるかを、制作工程全体から理解する
内容:
プリプロダクション、撮影、ポストプロダクションの関係
VFXスーパーバイザー、コンポジター、CGアーティストなどの役割
VFXの制作スケジュール管理とチーム連携の実際
作品紹介



第3回
第3回:合成(Compositing)の基礎
目的:映像の中にCGや別素材を馴染ませる「合成」の基本を知る
内容:
グリーンバック撮影とキーイング処理の仕組み
ロトスコーピング、マスク処理
合成ソフト(After Effects、Nuke)での基本操作の紹介


第4回
第4回:3DCGとVFXの連携(1)
目的:3DCGとVFXがどう関わっているかを、制作工程を通じて把握する
内容:
モデリング、リギング、アニメーションの基礎とVFXとの接点
作品紹介
第5回
第5回:3DCGとVFXの連携(2)
目的:3DCGとVFXがどう関わっているかを、制作工程を通じて把握する
内容:
Mayaでの基本的な制作例(HDRIを使ったIBL手法)
作品紹介
第6回
第6回:ダイナミクスとシミュレーション表現
目的:VFXで用いられる自然現象の表現手法を知る
内容:
パーティクル、流体、煙、炎などの表現
HoudiniやMayaのBifrostなどの使用例
実写とシミュレーションの融合(例:爆発、水中シーン)
作品紹介
第7回
第7回:最新技術とAI・バーチャルプロダクション
目的:今後の映像制作に不可欠となる最新技術の知識を得る
内容:
LEDウォールによるバーチャルプロダクション(例:『マンダロリアン』)
AIによる自動ロトスコープ、補間、ジェネレーティブVFX
Unreal EngineなどのリアルタイムCGの応用
作品紹介
第8回
ゲスト講義(予定)

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)

参考文献
「コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション」(フィルムアート社)
「ビジュアル情報処理 CG・画像処理入門」(画像情報教育振興協会)
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座I」
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座II」
「もう、誰も教えてくれない 撮影・VFX/CGアナログ基礎講座 応用篇」(スペシャルエフエックス スタジオ) など。



など。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
oguraisaku@dhw.co.jp