シラバス情報

授業コード
73440012
講義名
総合日本語 D (C-Eレベル)
開講時期
2025年度1Q(前期)
科目分類
科目分野
教員名
高橋 敦
実務家教員
履修年次
単位数
1.00単位
曜日時限
金曜3限

授業概要
この授業では、日本のコマーシャル(CM)を題材にして、言語や映像表現を分析しながら、日本語と日本文化を学びます。CMは商品やサービスを紹介するだけでなく、日本の社会・文化や価値観が色濃く映し出されるメディアです。たとえば、出演者の言葉遣いや背景音楽、画面の色彩などからは、時代ごとの流行や文化的特徴が見えてきます。
本授業では、テレビCMだけでなく、YouTubeやSNS広告など、近年さまざまなプラットフォームで展開されるCMも取り上げます。実際にCMを視聴し、構成要素(映像・音声・テキストなど)を分析することで、日本語の表現力を伸ばすと同時に、日本人の生活感覚や社会の変化、広告戦略の背景にある考え方をより深く理解することができます。
さらに、授業を通して得た視点をもとに、自分の意見を日本語で整理し、他の受講者とディスカッションを行います。これにより、語彙力や発信力を強化しながら、異なる視点を受け止める態度や、批判的に物事を見る力を培います。最終的には、日本語で自分の意見を伝える力、日本の文化や時代背景への理解、そしてCMを批判的に見る力を深めることを目指します。
到達目標
1.日本語力の向上
CMを視聴し、内容を理解する力を伸ばす。
自分の考えを日本語でまとめ、発表やディスカッションを行う力を養う。

2.日本文化・社会への理解を深める
CMを通して日本の流行や社会的テーマ、広告手法などを知り、日本社会の多様性や文化を理解する。

3.CM分析の基礎を身につける
CMの構成要素(映像・音声・テキストなど)やメッセージを理解し、分析する方法を学ぶ。
CMの作られた背景(時代や社会・文化)や評価の視点について学ぶ。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
評価は
発表(50%):中間のグループ発表、期末の個人発表
提出物(40%):授業内配布のワークシート
授業参加度(10%):授業内での発言、グループワークへの参加度
によって行う。
期末試験の内容
期末の個人発表
課題の内容
授業内で配布するワークシート

授業内容
第1回
第1回:CMとは何か? CMを分析する方法と観点を学ぶ

授業の概要と評価方法を確認しながら、短い日本のCMを見て「CMに何が映っているか」「どんな印象を受けるか」を話し合う。
CM分析の基本視点(構成要素・メッセージ・背景・評価)を理解し、今後の学習の土台を作る。
第2回
第2回:CMの種類と特徴を学ぶ

さまざまなジャンルのCM(食品、化粧品、通信、SNS広告など)や、テレビCMとWeb広告の違いを確認する。
CMが目的やターゲット層に合わせて作られていることを知り、ジャンルごとの特徴をとらえる。
第3回
第3回:CMの構成要素を学ぶ

映像(出演者・色彩・背景など)、音声(BGM・ナレーションなど)、テキスト(キャッチコピー・ロゴなど)を分けて見ながら分析する方法を知る。
それらが組み合わさることで生まれる印象を考え、CMを細かく見る力を養う。
第4回
第4回:CMのメッセージを学ぶ + 第5回発表の準備

CMが伝える直接的・間接的なメッセージ、感情を動かす表現、文化的要素などに気づく。
後半で第5回のグループ発表に向け、分析するCMや発表の方法をグループ内で相談する。
第5回
第5回:グループでCMを分析・発表する

グループ(またはペア)で選んだCMを、構成要素・メッセージ・背景など多面的にまとめて発表する。
発表後の質疑応答を通じて、他の視点や意見に触れて分析を深める。
第6回
第6回:CMのコンテキスト(背景)を学ぶ

CMを作った時代や社会状況、広告主の狙いなど、背景(コンテキスト)とCM表現の関係を考える。
古いCMや海外CMとの比較を通して、文化や時代の違いを知る。
第7回
第7回:CMの評価を学ぶ + 第8回発表の準備

広告効果や倫理、社会的影響など、CMを評価する視点を学び、多面的に考える。
後半で第8回の個人発表に向け、分析内容をまとめ、プレゼンの練習を行う。
第8回
第8回:個人でCMを分析・発表する

一人ひとりが選んだCMを、構成要素・メッセージ・背景・評価の観点から総合的に分析し、クラスで発表する。
発表後の質疑応答を通してクラス全体の学びを深め、授業の総まとめとする。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
ノートパソコン・タブレットなどがあると、CM視聴や調べる学習に便利です

参考文献
YouTubeや企業公式サイトなどから視聴できるCMをメイン教材とする
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
a.takahashi@dhw.ac.jp