シラバス情報

科目名
先端科学原論
科目カテゴリ
専門科目
科目モジュール
基礎・理論
科目系統
S
開講時期
1Q
開講曜日
開講時限
7限
担当教員
藤井 直敬
定員
80名
単位数
1単位

授業概要
現実世界は過去の経験にもとづく認知的バイアスで構築された主観的現実である。本講義では、現実を受け入れて理解するだけではなく、攻撃的に改変し豊かな世界を作るための各々の思想的基盤を獲得する。現実を理解するには、人を理解しなければならない。人を理解するためには、生物学・認知学的なヒトの仕組みや社会の理解、そしてAIを含めたヒトの拡張可能性も議論する必要がある。本講義では、先端科学が社会に与えるインパクトを、自分自身がその先端を担うものとして考える技術を獲得する。
到達目標
(1)現実を疑うことができる。
(2)現実を定義することができる。
(3)現実を改変、介入する手法を編み出せる。
(4)現実改変手法を世の中に提示し、ゆたかさを提供することができる。
キーワード
現実科学、VR/AR/MR/XR、哲学、認知科学、進化、AI

回数
タイトル
内容
実施方法
第1回
現実科学とは
現実科学が提示する問題意識を解説する。いま、なぜ現実について考えなければいけないのか、それを考えることで何ができるようになるのか。さらに、現実を定義することから、社会に豊かさをもたらすために現実へ介入することの意味について理解する。
対面授業
第2回
身体と哲学
人類が現状に到達するまでの歴史を理解することで、ヒトの本質を理解することが出来る。動物としてのヒトがどのように現在のヒトに到達したのかを一望し、その成り立ちを俯瞰する。さらにギリシャ時代から現代につづく哲学的視点から、ヒトと社会を理解できるようにする。
対面授業
第3回
進化と認知
自分自身を知らずに、現実を理解することはできない。ホモサピエンスとしての私達がどのように進化して現在に到達したのか、私達の身体が、脳がどのように出来上がり、自分自身がどうしていまのようになったのかを進化的、解剖学的、発達的側面から理解し受け入れられるようになる。
対面授業
第4回
意識と無意識
現実を理解する上で、意識と無意識について理解することは必須である。私達の振る舞いを神経科学的に理解し、意識だけでなく無意識処理の重要さを理解する。
対面授業
第5回
オムニバス講義1
現実に介入して豊かさを届けるには、様々な手法がある。外部講師を招聘し、現実科学における重要トピックについて議論する。
対面授業
第6回
人体改変や拡張技術による介入
ブレイン・マシン・インターフェースや高機能義手義足などテクノロジーによって人体の制限が取り払われつつある。それらのテクノロジーの可能性と未来について考える。
対面授業
第7回
オムニバス講義2
現実に介入して豊かさを届けるには、様々な手法がある。外部講師を招聘し、現実科学における重要トピックについて議論する。
対面授業
第8回
レポート発表
レポート講評。
対面授業

授業形式
講義形式
成績評価方法と基準
5段階評価(S〜D)
「あなたにとって現実とはなにか定義せよ、あなたが現実へ介入し社会にゆたかさを提供する方法」をテーマとしたレポートを3000〜5000字以内で書く。
(1)現実定義の独自性や新規性(50%)
(2)現実介入の社会的インパクト(50%)
履修条件と留意事項
なし
教科書
なし
参考文献
「精神の生態学」ベイトソン/「ヤノマミ」国分 拓/「身体化された心」フランシスコ・ヴァレラ/「悲しき熱帯」レヴィ=ストロース/「心の社会」マーヴィン・ミンスキー/「夜と霧」V.E.フランクル/「現れる存在」アンディ・クラーク/「つながる脳」藤井直敬/「脳といきる」藤井直敬、太田良恵子/伊藤計劃 全作品