シラバス情報

授業コード
28520001
講義名
ソーシャルビジネス
開講時期
2025年度2Q(前期)
科目分類
応用
科目分野
教員名
尾野 寛明
実務家教員
履修年次
3~4
単位数
1単位
曜日時限
木曜3限

授業概要
ビジネスを成功させながら、社会の課題を解決する!?そんなことができるのでしょうか。この授業ではいま世界的な急成長分野である「ソーシャルビジネス」の考え方を学び、そのヒントを探ります。
社会問題の解決といえば・・NPOくらいは聞いたことがある。そんな学生も多いと思います。でもNPOって非営利だし、儲けちゃいけないんでしょ??・・いえいえ、世の中には儲かっているNPOってたくさんあります。人気就職先にもなっています。一般企業も、社会貢献をアピールするようになりました。ちゃんと儲けて、社会の課題を解決する企業が学生の人気を集めています。
近年は若い世代を中心に「社会起業家」と呼ばれる新しいタイプの起業家が増えました。画期的な事業を立ち上げて社会問題を解決しようと行動する人々がたくさんいます。この講座では全国のそうした事例を学び、ソーシャルビジネスの課題と可能性を学んでいきます。授業の中盤はほぼ毎回ゲストを招いて、話を聞いてもらいます。特に、この授業では日本の地方の話題について多めに取り扱います。地方でのキャリアや、リモートワーク勤務の可能性を考える切っ掛けになってくれたら嬉しいです。
この授業で大切にしているのが、「掛け合わせ」の発想です。普段学んでいる「映像・アート・プログラミング」などの技術を「社会課題解決」と掛け合わせる感覚を身につけてもらいます。本学の学生にもフリーランスや創業志望が増えていると感じます。ただ、何を起業したら良いのかと悩んでいる人も多いようです。その時に必要なのが「掛け合わせ」です。普段学んでいるデジタルコミュニケーション技術を、どうやって社会課題に掛け合わせるかという発想を持ってみましょう。起業のアイデアはそういうところに眠っているものです。本プログラムを通じて学生が新たな領域を開拓する後押しをしたいと思っています。
※なお、この授業では「ソーシャル・ネットワーク(いわゆるSNS等)」の話題は取り扱いません。
到達目標
・ソーシャルビジネスと普通のビジネスの違いについて理解し、これからの多様な働き方を考えられるようになる
・普段学んでいるデジタルコミュニケーション技術を社会課題解決に活かす感性を身につける
・動画形式のプレゼン課題提出を通じて、自身が今取り組んでいることや授業で考えたことを言語化して伝える力を身につける
・少人数のグループでお互いに動画を見て、良いところを指摘し自分なりに横のつながりを作れるようになる
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
期末動画課題50%、提出動画をもとに少人数グループでコメント30%、授業の感想コメント20%
期末試験の内容
期末試験はありません。動画の提出課題で採点します。
課題の内容
各自3〜5分のプレゼンを行い、動画に収録して提出してもらいます。授業を聞いて考えたことや今取り組んでいること、将来実現したいことなど指定テーマに沿って自由に話してもらい、予め提示した5〜6項目で採点します。
提出動画は公開はしませんが、少人数のグループを組んでお互いに見てコメントしてもらいます。良いところを指摘しあい、全く違う領域の学生と自分なりに横のつながりを作ってもらいたいと思っています。

授業内容
第1回
ソーシャルビジネスとは何か
ソーシャルビジネスの定義、ソーシャルビジネスと普通のビジネスは何が違うのか?
第2回
「事業性」と「社会性」の両立
企業が儲けながら社会貢献することは可能なのか?非営利団体が課題解決をしながら儲けることは可能なのか?それぞれに向けた課題を理解する
第3回
国内におけるソーシャルビジネスの実態
ソーシャルビジネスの経営実態、社会的問題と事業の関わりに関して深掘りする
第4回
地域再生とソーシャルビジネス
地域課題をどのようにビジネス手法に置き換えて解決していくのか、事例をもとに学ぶ
第5回
医療福祉とソーシャルビジネス
地域医療・地域福祉領域の課題とソーシャルビジネスの最先端の事例を学ぶ
第6回
ソーシャルビジネスのステークホルダー
ソーシャルビジネスにおける利害関係者の考え方を整理する
第7回
ソーシャルビジネスと資金調達
社会的インパクト投資、クラウドファンディングなど、近年台頭する新たな資金調達事情を知る
第8回
ソーシャルビジネスへの携わり方
各分野の実践事例や支援事例をもとに、あなたなりのソーシャルビジネスへの携わり方を考える

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
プレゼン動画提出がありますので、各自動画を作成できる環境を整えておいてください。パソコン内臓のカメラや外付けのWEBカメラを推奨しますが、スマホでも大丈夫です。動画編集ソフト等も必要ありません。
自宅で音を出せない人は教室の利用申請をするなど工夫して撮影環境を確保してください。車の中で撮る人もいますし公園などでも大丈夫です。
動画の公開はしませんが5〜6名のグループでお互いにコメントをしてもらいます。プライバシーが気になるという学生も増えていますので、顔が小さく端に映ってくれるZOOMのプレゼンテーションモードでの録画環境を推奨します。どうしても顔出しが嫌だという人は、アバター・分身キャラ作成アプリ等も可としますので、環境を用意しておいてください。

参考文献
・尾野寛明ほか『わたしをつくるまちづくり〜地域をマジメに遊ぶ実践者たち』(コールサック社、2021年)
・竹端寛・尾野寛明(編著)『無理しない地域づくりの学校 私からはじまるコミュニティワーク』(ミネルヴァ書房、2017年)
・松永桂子・尾野寛明(編著)『ローカルに生きる ソーシャルに働く 新しい仕事を創る若
者たち』 (農文協、シリーズ田園回帰5、2016年)
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
hiroaki_ono@dhw.ac.jp