シラバス情報

授業コード
52350002
講義名
中国史
開講時期
2025年度2Q(前期)
科目分類
教養
科目分野
知の源泉/歴史学
教員名
宮古 文尋
実務家教員
履修年次
2~4
単位数
1単位
曜日時限
木曜4限

授業概要
第2クォーターの「中国史」は「思想と社会」がテーマです(第1クォーターの「中国史」は「歴史と民族」がテーマです)。

まだ教科書には反映されていない、近年の研究成果を踏まえながら、中国とその周辺地域の歴史を概観します。いわゆる「通史」という形ではなく、幾つかのトピックを取り上げる形で歴史過程を概説します。前近代の歴史が中心とはなりますが、前近代社会の特徴が、近代から現代に至るまでの間に失われたのか、残存しているのかを考えることを糸口に、歴史を踏まえた現代社会の再検討を、各テーマごとに試みます。高校までの歴史教科の基礎知識は求めません。日本史や世界史や歴史総合を選択したことがなくても問題ありません。中国史に限らず歴史一般、歴史に限らず現代の中国やアジア諸地域に興味・関心のある学生の受講も歓迎します。その時、その地域を生きていた人々が、どのような感情を抱き、どのようなことを考えたのかを、当時の人たちの視点から考えてみて欲しいと思います。

※授業内容は受講生の皆さんの意向により変更する場合があります。
到達目標
大学で学んでもらいたい「歴史学」は、高校までの歴史教科とは異なります。歴史上の出来事や人物、歴史用語や年代を暗記する必要はありませんし、それらをおぼえることも重視しません。本講義を通じて、歴史を「おぼえる」ことよりも、「知る」こと、知ったことをもとにして、「考える」ことを体験して欲しいと思います。——歴史の学びを通じて、多様な文化、価値観、社会を知る。その知識より、他者を理解し、自らを客観的に見つめる視点を身に付け、現代社会が抱える様々な問題を捉え直す—— 本講義が、皆さんにとって、こうしたことを「意識」するきっかけになることが目標です。
履修条件
履修条件緩和
成績評価方法・基準
期末課題40%、平常点60%で評価します。
平常点は、「課題」より提出されたクイズの回答内容から評価します。
期末試験の内容
実施しません。
課題の内容
期末課題は小論文を提出してもらいます。指定字数は2000字以上です。授業全般を通じて考えたことなどを問う内容です。

授業内容
第1回
死生観と宗教①:仏教の死生観
「宗教」とはどういう意味の言葉なのか、また仏教の死生観はどのようなものなのかを説明します。
第2回
死生観と宗教②:儒教の死生観
儒教の死生観はどのようなものであり、東北アジアの祖先祭祀の背景にどのような死生観が存在するかを説明します。
第3回
死生観と宗教③:東北アジアでの仏教の変容
中国を経由し、儒教の影響を受けた後の仏教の変容と、日本での特徴を説明します。
第4回
道徳と社会①:儒教道徳と喪礼
「孝」を基軸とした儒教道徳と、その表現であり実践である喪礼について説明します。
第5回
道徳と社会②:宗族と住居
「孝」により紐帯する「宗族」と、その理念を体現した建築様式について説明します。
第6回
道徳と社会③:「公」と「私」
日中における「公」と「私」の違い、それに伴う社会構造の違いについて説明します。
第7回
道徳と社会④:科挙と官僚
権力が求める人物像が官僚採用試験を通じて、社会の理想像として形成され、量産されていく過程を説明します。
第8回
社会における「責務」と「救済」:統制の手段と構造
宗教がある社会、前近代の中国、そして日本における「責務」と「救済」は何であり、今後どうあるべきであるかを考えます。

購入が必要な教科書

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
特にありません。

参考文献
講義で配布するプリントをテキストとします。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
miyako-humihiro@spu.ac.jp