シラバス情報

授業コード
91110028
講義名
ゼミ I (サイバージェネシスゼミ)
開講時期
2025年度3Q(後期)
科目分類
研究科目
科目分野
教員名
茂出木 謙太郎
実務家教員
履修年次
4
単位数
1単位
曜日時限
月曜5限

授業概要
本期では、アバターとメタバースという急速に発展する領域の根幹をなす知識の習得を目指す。学生は、これらの技術の歴史的背景、現在の主要なプラットフォーム、そしてアバターが持つ多様な意味合いについて学ぶ。講義に加え、アバターデザインのコンセプトワーク、基本的な3Dモデリングツールの操作演習を通じて、実際に自身のアバターを構想し、制作するプロセスを体験する。これにより、技術的理解と創造的実践の基礎を固める。
到達目標
学生は、アバターとメタバースに関する基本的な概念、歴史、主要技術、および関連プラットフォームについて体系的に説明できるようになる。

学生は、アバターデザインの基礎的な考え方を理解し、自身のオリジナルアバターのコンセプトを立案し、簡易的な3Dモデルとして具現化するスキルを習得する。

学生は、アバターを介した自己表現の可能性と、それに伴う倫理的側面について考察し、自身の見解を述べることができる。
履修条件
UNITY、UE
3DCG
UIデザイン
のどれかができることが望ましい。
下記授業を受講する予定があること
VR・AR概論
ゲーム開発演習Ⅰ〜Ⅳのうち2単位以上単位修得していることが望ましい。
Oculus Quest2を使用します。授業までに用意してください。
Slackをコミュニケーションツールとして使います。毎日チェックし、Slack上で議論できることが必須です。
オンラインを基本としますので、ネットワーク環境の整備をお願いします。
履修条件緩和
成績評価方法・基準
課題(アバターコンセプトシート及び簡易3Dモデル)(50%): 提出されたアバターコンセプトの独創性・具体性、および3Dモデルの基本的な造形力、指示された技術要件の達成度を評価する。

発表およびゼミへの貢献 (30%): 第8回の成果発表における内容の論理性、プレゼンテーションスキル、質疑応答の的確さを評価する。また、授業内での発言、他の学生の発表に対する建設的な意見、グループワークへの積極的な参加度を評価する。

平常点 (20%): 毎回の授業への出席、課題(小課題含む)への取り組みと提出状況、Slack等の指定されたコミュニケーションツールを通じた情報共有や議論への参加状況を総合的に評価する。
期末試験の内容
実施しない
課題の内容
オリジナルアバターのコンセプトシート(設定、デザイン画、三面図等を含む)の作成。

上記コンセプトシートに基づいた、簡易的なオリジナル3Dアバターモデルの制作。ファイル形式はVRM形式を推奨。

授業内容
第1回
オリエンテーションとアバターシフト概論: 本ゼミの目的、年間スケジュール、評価方法を説明する。アバター、メタバース、VTuber、生成AIといった本ゼミで扱うコア技術の概要と、それらが現代社会およびクリエイティブ産業に与えるインパクトについて概説する。
第2回
メタバースの歴史と進化: メタバースという概念の起源から現在に至るまでの主要な出来事や技術的ブレイクスルーを辿る。国内外の代表的なメタバースプラットフォーム(VRChat、Cluster、Roblox等)の特性、アーキテクチャ、利用事例を比較分析する。
第3回
アバターの概念と多様性: アバターの定義、種類(写実的、アニメ調、抽象的等)、役割(自己表現、コミュニケーション、代理体験等)について多角的に理解する。アバターがユーザーの心理や行動に与える影響(プロテウス効果等)や、アバターを介した自己表現の自由度と課題について考察する。
第4回
アバターデザインとコンセプトワーク: 魅力的なアバターを制作するためのデザインプロセス(ターゲット設定、世界観構築、キャラクター設定、ビジュアルスタイル定義等)を学ぶ。自身のオリジナルアバターのコンセプトシート作成演習を行う。
第5回
Dモデリング基礎(ツールと基本操作): アバター制作に用いられる主要な3Dモデリングソフトウェア(例:VroudStudio)のインターフェース、基本機能、主要なモデリング技法について解説し、基本操作の演習を行う。
第6回
簡易アバター制作演習(モデリング実践): 第4回で作成したコンセプトに基づき、3Dモデリングソフトウェアを用いて、頭部や胴体といったアバターの基本形状の制作演習を行う。
第7回
アバターセットアップ基礎と標準フォーマット: 制作した3Dモデルをアバターとして機能させるための基本的なセットアップ(リギング、テクスチャマッピングの初歩)の概要を学ぶ。VRMやFBXといったアバターの標準的なファイルフォーマットの構造と、メタバースプラットフォームでの利用方法について理解する。
第8回
第1期成果発表とフィードバック: 学生各自が制作したアバターのコンセプトシートおよび簡易3Dモデル(またはその進捗)を発表する。教員および他の学生からのフィードバックを通じて、デザインや技術的な改善点を見出し、次期への課題を明確にする。

購入が必要な教科書
書名
フルトラッキング・プリンセサイザ
著者
池谷和弘
出版社
書肆侃侃房
ISBN
978-4-86385-627-1
備考

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
3DCG制作(モデリング、テクスチャリング等)およびVRコンテンツ開発が可能なスペックのノートPCまたはデスクトップPC。

3Dモデリングソフトウェア(例:Blender - 無償)。

VRヘッドセット(Meta Questシリーズ等を推奨。必須ではないが、メタバース体験や動作確認にあると望ましい)。

安定したインターネット接続環境。

コミュニケーションツールSlackのアカウント作成と利用準備。

本期末の課題(オリジナルアバターのコンセプトシート作成、および簡易3Dアバターモデル制作)への対応準備。

その他、担当教員が適宜指示するソフトウェア、オンラインサービスのアカウント等。

参考文献
オンラインファースト
自在化身体論
未来ビジネス図解 仮想空間とVR
トコトンやさしいVRの本 (今日からモノ知りシリーズ)
フューチャー・プレゼンス 仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
他映画・漫画・小説など多数。
※ゼミ実施時に随時指定するので、どんどん吸収していきましょう。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
Slackにて