シラバス情報

授業コード
91120028
講義名
ゼミ II (サイバージェネシスゼミ)
開講時期
2025年度4Q(後期)
科目分類
研究科目
科目分野
教員名
茂出木 謙太郎
実務家教員
履修年次
4
単位数
1単位
曜日時限
月曜5限

授業概要
本期では、近年急速に市場を拡大しているVTuber(バーチャルYouTuber)に焦点を当てる。学生は、VTuberの文化的背景、活動を支える技術(フェイストラッキング、モーションキャプチャ、リアルタイムレンダリング等)、そして魅力的なコンテンツを生み出すための企画術を学ぶ。実際にVTuberキャラクターのペルソナ設定から、アバターの最適化、配信ツールの操作、簡易的な動画コンテンツ制作までの一連のプロセスを体験する。これにより、表現者としての視点と制作者としての技術の両面を養う。
到達目標
学生は、VTuberの文化、主要技術(トラッキング、配信システム等)、およびコンテンツ制作の基本的な流れを説明できるようになる。

学生は、オリジナルのVTuberキャラクターを企画し、そのキャラクターを用いた簡易的なデモンストレーションコンテンツ(自己紹介動画等)を制作・発表するスキルを習得する。

学生は、VTuber活動における効果的なコミュニケーション方法や、著作権等の関連法規に関する基礎知識を理解し、留意点を述べることができる。
履修条件
UNITY、UE
3DCG
UIデザイン
のどれかができることが望ましい。
下記授業を受講する予定があること
VR・AR概論
ゲーム開発演習Ⅰ〜Ⅳのうち2単位以上単位修得していることが望ましい。
Oculus Quest2を使用します。授業までに用意してください。
Slackをコミュニケーションツールとして使います。毎日チェックし、Slack上で議論できることが必須です。
オンラインを基本としますので、ネットワーク環境の整備をお願いします。
履修条件緩和
成績評価方法・基準
期末課題(VTuberキャラクター企画書及びデモコンテンツ)(50%): 提出されたVTuberキャラクター企画の独創性・具体性、およびデモンストレーションコンテンツの企画力、技術的完成度、表現力を評価する。

発表およびゼミへの貢献 (30%): 第8回の成果発表における内容の論理性、プレゼンテーションスキル、質疑応答の的確さを評価する。また、授業内での発言、他の学生の発表に対する建設的な意見、グループワークへの積極的な参加度を評価する。

平常点 (20%): 毎回の授業への出席、課題(小課題含む)への取り組みと提出状況、Slack等の指定されたコミュニケーションツールを通じた情報共有や議論への参加状況を総合的に評価する。
期末試験の内容
実施しない
課題の内容
オリジナルVTuberキャラクターの企画書(ペルソナ、世界観、活動内容案、ターゲット層等を含む)の作成。

上記企画に基づき、自身のアバター(第1期制作または新規)を用いた1〜3分程度のVTuberデモンストレーション動画(自己紹介、特技披露など)の制作。

授業内容
第1回
VTuber概論とエコシステム: VTuberの登場背景、国内外の市場動向、多様なVTuberの活動スタイル、ファンコミュニティの形成、関連ビジネス(グッズ、イベント、企業案件等)について解説する。VTuberを支える技術スタックの全体像を把握する。
第2回
VTuberキャラクタープランニング: 視聴者に支持されるVTuberキャラクターを創造するための企画立案手法を学ぶ。ペルソナ(性格、背景、特技等)、世界観、ターゲットオーディエンス、活動コンセプトなどを具体的に設定する演習を行う。
第3回
VTuber向けアバターの制作・最適化: 第1期で制作したアバター、または新規に用意したアバターをVTuber活動に適した形に調整する技術(表情・リップシンク設定、軽量化、Live2DやVRoid Studio等の専用ツールの活用)を学ぶ。
第4回
配信プラットフォームと基本技術: YouTube Live、Twitch等の主要なライブ配信プラットフォームの特性と機能、アカウント設定方法を理解する。OBS Studio等の配信ソフトウェアを用いた基本的な画面構成、音声設定、録画方法の演習を行う。
第5回
VTuberコンテンツ企画演習: ゲーム実況、歌ってみた、雑談配信、教育コンテンツ、ショート動画など、多様なVTuberコンテンツのフォーマットと企画のポイントを学ぶ。自身のVTuberキャラクターに合ったコンテンツ企画を立案する。
第6回
VTuber簡易コンテンツ制作演習: 立案した企画に基づき、自己紹介動画や短いフリートークなど、数分程度の簡易的なVTuberコンテンツを制作する。収録、基本的な編集、サムネイル作成の技術を習得する。
第7回
VTuber活動におけるコミュニケーションと権利: 視聴者との効果的なコミュニケーション戦略(コメント対応、SNS活用等)、ファンコミュニティ運営の留意点を学ぶ。著作権(BGM、素材利用等)、肖像権、プライバシー保護など、VTuber活動に関連する法的な基礎知識と注意点を理解する。
第8回
第2期成果発表とフィードバック: 学生各自が企画・制作したVTuberキャラクターおよびデモンストレーションコンテンツを発表する。教員および他の学生からのフィードバックを受け、キャラクター設定の魅力、コンテンツの完成度、技術的課題について評価し、今後の改善点を明確にする。

購入が必要な教科書
書名
バーチャルリアリティ学
著者
日本バーチャルリアリティ学会
出版社
コロナ社
ISBN
978-4904490051
備考

教科書以外に準備するもの(画材・機材)
第1期に準ずるPC環境。

VTuber活動に適したアバター(VRM形式推奨、Live2Dも可)。

Webカメラ(フェイストラッキング用)、マイク。

動画編集ソフトウェア(DaVinci Resolve - 無償版あり、Adobe Premiere Pro等)。

配信ソフトウェア(OBS Studio - 無償)。

本期末の課題(オリジナルVTuberキャラクター企画書作成、およびVTuberデモンストレーション動画制作)への対応準備。

その他、担当教員が適宜指示するソフトウェア、オンラインサービスのアカウント等。

参考文献
輪読を行うものもあります。随時指定します。
オンラインファースト
自在化身体論
未来ビジネス図解 仮想空間とVR
トコトンやさしいVRの本 (今日からモノ知りシリーズ)
フューチャー・プレゼンス 仮想現実の未来がとり戻す「つながり」と「親密さ」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
他映画・漫画・小説など多数。
※ゼミ実施時に随時指定するので、どんどん吸収していきましょう。
※大学での教科書販売はありません。

教員連絡先
Slackにて